第17章 信じてるから笑うんだ
「え・・・何あれ…?」
「刈真君が試験用紙盗んだの…??」
「そんなことやるようには見えないけど…?」
だんだんとクラスが騒ぎ出していく。
私は只唖然とその場につっ立っていた。
だが、一番驚いていたのは紛れもなく刈真。
私の隣で何が起きたのか
わからないような目をしていた。
その時、前のドアから五十嵐が顔を出した。
「っ!!五十嵐ちゃん!!」
五「よぉ~お前ら。?なんで窓に集まってんだ?
それよりよぉ~。これ見てくれよぉ~」
五十嵐は何か封筒のようなものを見せる。
私達は、急いで教卓に駆け寄った。
五「なんか俺の靴箱ん中入っててさ。
中身はまだわかんねぇんだけどっと・・・。」
五十嵐は説明をしながら
封筒のテープを手で雑にはがしていった。
そして、封筒の中へ手を入れる。
私は なんだか悪い予感がした。
悪い予感しかしなかった。
五「・・・?なんだこれ。」
五十嵐がそっと中身を取り出す。
私はそれを見たとき、思わず目を瞑った。
その中身とは
刈真が夜の職員室で
問題用紙と書かれた紙を引き出しから
持ち出している写真だった。
それと同時についていた紙切れ。
開いてみると
『僕がこの写真を撮りました。
確かにこの目で見たんです。刈真君が
この問題用紙を盗んでいるところを。
柊 栞鳳 』
沙「柊・・・」
美「栞鳳…」
翠「うそっ会長じゃん…っ」
私は、心臓が痛く、鼓動が早くなった気がした。