第16章 そこにいたのは置き物会長
沙「・・・・・。」
刈真が部屋に戻ってきてから
勉強が始まった。
先程までいた使用人達は
刈真が「あっち行けっ」と言ったので退散。
皆やはり期末テストなのか
お喋りしようとせず、黙々と手を動かしている。
でも、栞鳳だけは
もう課題が終わったのか、
刈真の部屋を見物している。
流石は生徒会長…
その直後、翠がぐわぁーと背伸びをした。
翠「あ~もうっ、集中できないっ!!!」
翠が頭を掻き始める。その前の席では
優一が呑気にペン回しを始めていた。
(なんだ…皆さん集中してなかったのか…)
ひとりだけ集中していないと
思っていたので、私は安心した。
刈「翠さん、集中しなくてもいいですから
とっとと課題終わらせてください。」
また刈真からの鋭い毒が放たれる。
翠は頬を膨らませると、
「刈真君だって課題終わってないじゃん!!」
と、刈真のノートを指さした。
すると、呆れたように刈真は溜息をする。
刈「これは自主用のノートです。
課題はもう全て終わっています。」
翠「ぐっっ…」
沙・優「おおーー!」
感心していた私のとなりでは
栞鳳が声を抑えながら笑っていた。