第16章 そこにいたのは置き物会長
「あれ?もしかして皆で勉強してたの?」
優「あ…俺は違います…。」
刈「僕ら三人は先程まで勉強してました。
ちょうど今、帰るところです。」
刈真が話終わった後、
生徒会長は刈真をずっと見つめていた。
「君が刈真君かぁ~あっ、名前言ってないね?
僕の名前は 柊 栞鳳(ひいらぎ しおん)
こんなんだけど まあ生徒会長やってるよ。
よろしくね、刈真くん♪」
栞鳳は どこか借り物のような笑みを浮かべ
刈真に手を差し出した。
刈真はそれを迷わず握る。
刈「よろしくお願いします。栞鳳さん。」
その時、刈真が一瞬驚いたような顔をし、
栞鳳と握り合っている手を睨んだ。
相変わらず栞鳳は笑みを崩さない。
それから数秒後
やっと手をはなしたと思えば、
栞鳳は私にゆっくりと近づいてきた。
栞「沙織ちゃんのお友達は皆いい人だねぇ」
沙「あ…っはいっ!…。」
次の瞬間、いきなり首元に顔を近づけられる。
私はびっくりして肩が上がってしまった。
栞「…ははっ 沙織ちゃんは可愛いねぇ?
大丈夫だよ。驚かせてごめんね?」
栞鳳は笑顔で謝ってきた。
私は この人の 目 が嫌いだ。
まるでこの人の目は
獲物を狩るように鋭く、睨まれたら
その場で震え上がってしまいそうなほど怖い。
それに とても冷たい感じがする…。
私は、少し作り笑いを見せて栞鳳を安心させた。
すると、栞鳳は翠に顔を向ける。
栞「これはどうも、″ 吹雪姫 ″ さん。」
沙・翠・優「吹雪姫!!!???」
栞鳳はにっこり微笑んだ。
翠は
「ちょっと、訳わかんないこと
言わないでくださいよっっ!!??」
と、焦ったようだった。