第16章 そこにいたのは置き物会長
突然聞こえてきた声の方へ三人は振り返る。
すると、眠たそうに目を擦る長身の男だった。
翠「…あやつか…っ」
その男はだんだん近づいてくる。
私は、彼の正体に気づいた。
沙「如月さん!!」
その声の主は優一だった。
寝癖で髪の毛が少したっている。
本人はあまり気にしていないようだった。
優「ん…よぉ黒翔…翠…。
嶋瀬、前言ってたことだけど…」
刈「なんでしょう。」
優「俺、確かお前に数学教えろって言ったよな。
それ、今日教えてくんねーか…?」
それを聴いて私達は目を見開く。
翠は、その後ニヤリと笑った。
翠「あらぁ~じゃあ・・・私達も・・・?」
刈「っ…」
刈真が悔しそうな顔で翠を睨む。
翠「私達も一緒に勉強しましょうかぁ!!」
沙「さ、賛成です!!!!」
私も、刈真の家が見たいと一瞬思ったので手を挙げる。
刈真は沙織までっ!というように驚いていた。
優一は頭にハテナマークを浮かべている。
その後、刈真は諦めたかのように言った。
刈「…わかりましたよ…。」
翠・沙「やったぁぁぁぁあああ!!!!!」
優「…?なんか、まあ、良かったのか…?」
私達は廊下で笑い合っていた。
その時だった。