第15章 夏祭り
五人は、涼しい顔をして黙っていた。
沙「それなら、気長に待てばいいじゃないのかな。
大人になるのも 悪くないのかもしれないから。」
静かに風の音が、
私達の耳に響いていく。
皆で顔を見合わせ笑い合っていた。
やがては、大声を出して。
皆と、沢山笑い合って。
翠達と、手をつないで飛び合ったり。
いつまでもいつまでも、
浴衣を着た六人の子供達は
無邪気に、笑い合っていた。
沙「笑い合ってたら、時間なんて忘れちゃいそう。」
刈「いつまでも、こんな時間が続けばいいのに。」
私達は、手を繋ぎながら、
優しく微笑み合っていた。
いつまでも。 ずっと。
こうして、私の生まれて初めての夏祭りは
静かに 幕を閉じたのでした。