第15章 夏祭り
―――――― ? ――――――
コンコンッ…
誰かのノックの音が聞こえてきた。
「 入っていいよ~ 」
「失礼します。」
礼をして入ってきたのは
綺麗な黒髪の男子生徒。
「いつもいつもご苦労さ~ん」
声の主は面妖な笑みを浮かべる。
「今日は 少し気になったことがありまして。」
「気になったこと?」
「はい。実はうちの生徒の 黒翔 沙織
についてなのですが…ついこの間まで
クラスメイトからいじめを受けていたそうなんです。」
「へ~。沙織ちゃんがいじめに?」
「はい。ですが、そのいじめがなくなった原因が
ある転校生のおかげらしいのです。」
男子生徒は
デスクの上に、生徒の書類をのせた。
それを見たとたん、声の主は不気味に笑い出す。
「…この子…またここに来てたんだァ?」
「…どうしますか?」
「…ちょっと 沙織ちゃん達と会ってこようかな…?」
「…手加減はしてくださいね…。
別に、あの生徒がここにいてもいいと思いますから」
「大丈夫。」
「 ちょっと 面白いことするだけだよ。 」
声の主は 目を光らせた。