第15章 夏祭り
その時、
近くのスピーカーから音楽が流れる。
『ご来場の皆様!!まもなく
今夜の名物である、【七色の打ち上げ】が始まります
花火を見過ごさぬよう、
皆様、きっちりと見物してくださいね!!!』
放送がなり終わると、
皆またざわざわと騒がしくなっていく。
琴「もうすぐ花火が始まるんだね。」
弓「ねぇ、レジャーシートのとこに戻ろうよぉ」
琴「わかったわかった。じゃあ
沙織ちゃん、刈真君、また今度ね!」
沙「また今度~!!」
刈「いい夜を。」
私達は、最後まで
弓弦と琥珀と手を繋ぎ、楽しそうに
人ごみの中へ消えていく彼女達を見送った。
沙「琴音さん、変わったね。」
刈「彼女の心はもう救われたのかな。」
沙「そうだったら、私は嬉しいな。」
刈「僕もだよ。」
私と刈真は、顔を見合わせると、
にっこりと微笑み合い、また歩き出した。