第15章 夏祭り
刈「あ、当たった。」
私も驚いたが、撃った本人でもある
刈真さえも驚いていた。
お店のおじいさんも、
目を丸くして驚いたあと
「いや~お兄ちゃんはのみこみが早いねぇ~!」
とまた笑いだした。
私は「すごいね!」と拍手を送る。
刈「沙織、何が欲しい?」
沙「え!取ってくれるの!?えっと…えっとねっ
!!!っあれがいいな!」
そう言って私が指指したのは、
なんとも当たりにくいところに置かれている
ウサギの可愛らしいマスコットだ。
刈真は少し考えたあと、
私にやさしく微笑みかけ、
「じゃあ、とってあげるね。」
と言ってくれた。
パンッ!!
刈真の3発目が放たれる。
すると、見事に私の
欲しがっていたマスコットに命中!
刈真は
「おじいさん。もう大丈夫です。
ありがとうございました。」
と、お店のおじいさんに銃を返し、
私にさっき取ったマスコットを渡してくれた。
沙「ありがとう!刈真君!!」
私は満面の笑みを浮かべお礼をする。
刈真はにこりと笑い「日頃のお礼でもあるよ」と言う。
私は貰ったマスコットを大事にしまうと、
積極的に彼の手を掴んだ。
刈真は突然のことに吃驚していたが
すぐに顔に喜色が現れ、手を握り返してくれる。
私は湧き上がる喜びに身を任せて
再び彼と共に歩き始めた。