第15章 夏祭り
お店の人に銃を渡され、
まずは私が打つことになった。
だが、初めてでもあり、
全く上手くお目当ての商品に弾が当たらない。
結局、5発中命中0発で終わってしまった。
今度は刈真にバトンタッチ。
すると、刈真も困ったように
銃を不器用に構えていた。
沙「刈真君は射的やったことあるの?」
問いかけてみると、
刈真はあははっと笑った。
刈「生憎、射的も銃を構えたのも初めてなんだ。」
刈真はその言葉を言った直後、
パンッと最初の1発を放つ。
すると、
商品にあたることなく外れてしまった。
沙「あ~やっぱ刈真君でも難しいよね。」
刈「ごめんよ。何かとってあげたいんだけど…」
その時、お店のおじいさんが
私達に笑いながら話しかけてきた。
「お兄ちゃん、どうも彼女の前で
かっこいいとこ見せられてないようだね。」
刈真もにこりと微笑む。
すると、お店のおじいさんが、
刈真に射的のコツを教えてくれていた。
「まあ、初めてじゃあうまくいかねぇけどな!」
お店のおじいさんが笑い出すと共に、
刈真の2発目が放たれる。
沙「あ!!」
その弾は、見事に真ん中の商品に命中した。