第15章 夏祭り
沙「椿さん行っちゃったね。」
刈「じゃあ、また何処かまわってみようか。」
沙「うん!」
刈真に返事を送る。すると、
刈真はにっこりと微笑み、そっと手を差し出した。
刈「人が多いから、離れないようにね。」
優しい彼の声に、私はトキメキながら、
「ありがとう」と言ってその手を握る。
そのまま、ふたりはまた人ごみの中を
進み始め、お店を探す。
すると、「射的」と書かれた看板が目に入った。
私は刈真の手を引っ張る。
それに気づいた刈真は、「あれをやりたい?」と
言ってきた。私は笑顔で頷く。
すると、刈真は私の手を
ギュッと先程よりも強くつかみ、
人ごみの中へすっと入っていった。
私は彼の手を頼りに必死に前へ進む。
そしてやっと、射的のお店前までこれた。
刈「大丈夫?どこか痛くない?」
沙「大丈夫だよ。刈真君、ありがとう!」
こうしてふたりは射的をやろうと
さらに前に進んでいった。
その時。