第15章 夏祭り
刈真に買ってもらった林檎飴を舐めながら、
私達はクラスのことやテレビのことを話し合う。
だが、流石は夏祭り。
ここが学校内だというにも関わらず、
行くとこ行くとこ
人!!ひと!!HITO!!!
沙「ひ、人がゴミのようだ…!!」
刈「沙織、ナイスムスカっ!」
熱い人ごみの中をかき分けながら進んでいく。
すると、誰か見覚えのある顔が見えた。
私はそれが誰かわかったとき、
刈真の手を引っ張って走り出す。
刈真はびっくりしたようだが、
急いで私の後に続いてきてくれた。
沙「 椿 さん!!」
連「!! あ、沙織ちゃんと刈真君!!」
その人物は、
いきつけのフード店の店員 椿 連 だった。
濃い青色の浴衣が
流石大人だという雰囲気の味を出している。
手には先程買ったのか、
桃色のわた菓子が掴まれていた。
刈「お久しぶりですね。元気でしたか?」
連「そちらこそ!刈真君とは文化祭の時以来かな?」
※『文化祭』観照
沙「今日はお一人でこられたんですか?」
にっこりと笑いながら問いかけると、
連はすぐに微笑んで答えた。
連「いや、実は大学の友人らと来てるんだ。
ここには一応思い出があるからね。 」
刈「思い出…って、
椿さんはここの卒業生だったんですね!」
沙「あ、確かに!!初耳です!!」
連「そういえば言ってなかったね。
あ、ふたりはもうお店はまわったの?」
私は首を横に振った。