第15章 夏祭り
刈「どこへ行こうか。」
沙「!!えっ!?えっとっ…」
突然の彼の声に
私は驚き、声が裏返ってしまった。
隣で歩く刈真の顔を覗くと、
とても優しい笑顔をしている。
私はそれが嬉しくなり、つい鼻歌を歌ってしまった。
それから数秒が立ったとき、
ふと視界に止まったものがあった。
刈真も不思議そうに立ち止まる。
そして「どうしたの?」と聞いてきた。
私は笑顔で、「あれ食べてみたい!!」と言う。
そのあれとは…
刈「林檎飴…?」
真っ赤な林檎飴が
沢山売っているお店を私は指さした。
沙「私、こうゆうお祭りきたことないから、
一度林檎飴っていうのを食べてみたかったの!」
私は少しはしゃぎながら刈真に微笑む。
すると、刈真は少しだけ顔を赤らめて、
「じゃあ二人で買って食べようか。」と言った。
私は嬉しくなって元気よく頷く。
お店に近づくと、
「林檎飴をください」と言ってお金を渡そうとした。
すると、横から彼の綺麗な手が通り過ぎ、
なんと私の分のお金も払ってくれた。
沙「っ!!悪いよ刈真君っ!はいっお金っ!!」
私は刈真にお金を渡そうとする。
すると、刈真ははははっと笑い、
「女の子にお金を出させるのは好きじゃないんだ。」
と微笑んだ。
私は 彼のその笑顔にキュンときてしまう…