第15章 夏祭り
「人の恋人をからかうとは…僕は許しませんよ?」
「「「!!!」」」
私は何かに引っ張られて後ろへ後退る。
すぐ次にはフワッと誰かに後ろから
抱きしめられていた。いや、
包まれていたというのが正解だろうか…?
その正体は…
沙「刈真君っ!!」
翠「刈真君っ!!」
優「嶋瀬…」
私を包みながら優しく微笑む
浴衣姿の刈真だった。
刈「遅くなってごめんね 」
刈真は私から少し離れると、
申し訳なさそうに謝罪する。
私は全然気にせず、「大丈夫!!」と
元気よく言った。
翠「刈真君遅れちゃダメだよ~?
沙織心配してたんだからねぇ?」
刈「わかってますよ。
先程までどうもありがとうございました。」
刈真は丁寧にお礼をすると、
にっこりした笑顔で優一を睨んでいた。
刈真君は如月さんが苦手なのか…
私はそういえばと思い、
軽く睨んでいる理由に納得した。
※『孤独は無限』観照
優「嶋瀬…やっと来たんだな…」
刈「沙織にどうもありがとうございます。」
にこっと笑う刈真は
どこかとてつもないオーラを感じる。
優「…お前の手触らせろ…プニプニしてる…」
翠「(こいつ変態かっ!?)」
沙「(こいつ変態かっ!?)」
私達二人はそう思った。
刈「却下します☆」
だろうな
優「?人に腕触られんの嫌なのか…?」
優一はキョトンとした顔で
私たちを見つめていた。