第15章 夏祭り
翠「香水って、肌につけたり服につけたりして、
結構便利なものだけど、
それが逆に相手を困らせてしまうの。
例えば、沙織。もし刈真君から
体重計なんてもらったらどう思う?」
翠がビシっと指を私に向けた。
沙「た、体重計ですか!?えっ
なんか…自分に痩せろっていうメッセージ
みたいに思っちゃう…かも…」
刈「ぼっ僕はそんなことしないよっ」
翠「そう。女子って、
自分のスタイルやメイクに少し
ネガティブな考えをしちゃうことがあるの。
今のふたりみたいに、刈真君はそんなつもりは
ないけれど、沙織はそうゆう風に思ってしまう・・
そこから生まれる溝もあるのよねぇ」
大「ほう…」
大河はすっかり翠の話に入り込んでいる。
やはり恋のエキスパートは最強だ!!
沙「じゃあ、女の子がネガティブに考えてしまう
ものはダメってことですね。」
翠がにっこりしながら頷く。
刈「じゃあ…香水、体重計、…パックとかはNGと…」
翠「そこらへんがダメなやつだね。うん!」
はっとして大河に目をやると、
必死にノートにメモをしていた。
そこまで恋人である美紀を思えるとは
とても優しい人だ。
私は、もっと応援したくなった。