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「 水色の革命 」

第14章 刈真の過去



沙「かっ刈真君っ!?」


刈真は
しっかり私の肩を抱いて、顔を埋めていた。
初めてのことに体が熱くなり、
鼓動の音もだんだんと速く、大きくなる。


刈「…しばらく…」


沙「!!っ」


刈真が私の耳元で落ち着いた声を出す。


刈「しばらく…このままでいさせて…。」


沙「…うん…」









優しく、温かい彼のぬくもりが伝わって、
私は朗らかな気持ちに包まれていた。


そっと、自分の手も彼の背中へまわす。
とても大きくて、温かい。



今、自分は幸せを感じているんだ。


そう思うと、自然と笑みがこぼれていた。



何分抱き合っていただろう。
そんなもの、どうでもいいけれど。


只、ふたりのこの静かな空気が
一番居心地のいいものに変わっていた。


誰も喋っていないけど、

手も繋いでいないけど


ずっと 彼と繋がっている気持ちになれる。




沙「…刈真君。」

刈「…ん?」


沙「私 刈真君と出会えて凄く幸せだよ。」


今までの出来事を思い出しながら、
幸せに包まれた声を放つ。

刈真もその言葉に、
少しだけ首を上下に頷かせると、
そっと顔をこちらに向け、



刈「僕も 凄く幸せだよ。」




と、優しい笑顔を見せた。















  窓から見える月は


  その輝く月明かりで



  ふたりを 優しく 温かく 包み込んでいた。







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