第14章 刈真の過去
沙「…。」
何かに起こされたように私は目を開ける。
まだ部屋も外も暗かった。
隣を見ると、刈真が落ち着いたらしく
すぅっと目を閉じていた。
沙「…大丈夫…?」
刈真は私に気づき、
目を開ける。そして、「うん」と笑った。
刈「…姉さんと…」
沙「!!!」
刈「…姉さんと仲直りしようと思う…。」
刈真は照れくさそうにそっぽを向いた。
私は、涙がこみ上げてくる。
刈「…ありがとう。」
沙「…うん…」
刈「姉さんと仲直りして
ちゃんと、自分を見つめ直すよ。」
沙「うん…!っ」
刈「…。ありがとう。」
沙「うっ…ん…ウワァァァンッ…」
さっきまで大丈夫だったのに。
また、涙が溢れ出す。
沙「…良かったねっ…」
私は、目をこすって刈真を見つめる。
沙「刈真君っ 良かったねっ!…」
刈「…っ」
沙「っ!」
その時、私は刈真に抱きしめられた。