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「 水色の革命 」

第14章 刈真の過去




私は、少し緊張していた。
さっきまであんなことがあったのだから
刈真もそうとう心が落ち着いていないはずだろう。

あと残り少しの距離が
こんなに苦しくなるなんて。


沙「…ねぇ、刈真君。」

刈「…。」

沙「私…ね?刈真君の昔の頃のこと…聞いたんだ。」

刈「っ!!」

沙「…。」

刈「…。」



また、沈黙がその場を通り過ぎる。




刈「母さんに 認めてもらいたかったんだ。」

沙「!!っ」

私は刈真の顔を見る。
寂しい目をして、微笑んでいた。


刈「僕は 何をやってもダメで。

  いつも、母さんに迷惑かけてたから。

  絶対に、頭が良くなって
  あいつに…




  あいつに…ざまぁみろって言いたかったんだ。」


沙「…っ…」





刈真君





私は 何て言ってあげたらいいの…?

言葉が…言葉が出ないよ…





でも たとえ出たとしても

あなたの傷を 私が全て癒せる気がしない…



刈「でも、僕はまだあいつを超えられてない。
  そしたら また母さんに迷惑かける。

  それが 嫌なんだ。

  それが 屈辱でたまらないんだ。」




刈真の手から、
やりきれない思いが。震えが伝わってくる。





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