• テキストサイズ

「 水色の革命 」

第14章 刈真の過去




「…ママはね?…もう 帰ってこないの。」


雫は、重たい口を開いて
精一杯の声をだす。

それを聞いた刈真は
悲しい表情をして顔を伏せてしまった。


「…僕が…悪い子だから…」


「っ!違うっ刈真は悪い子じゃないよ」


「じゃあママ…なんで…帰らないの…?」


「…っ」


雫は、刈真に見つめられ、口をごもらせる。
今の彼にこの意味をいっても、理解できないだろう。

返事に困り、雫はずっと黙っていた。


すると、刈真は急に厳しい顔になった。


「…?刈真?」

「僕…いい子なるから。」

「え…?」


突然の言葉に雫は戸惑う。


「なるから…。」





刈真の瞳を覗くと、
その奥には何かの闘志が燃えていた。





雫は父親に声なき助けを呼ぶ。
だが、父親は何も言わず、
ずっと刈真の顔を見つめているままだった。




/ 586ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp