• テキストサイズ

「 水色の革命 」

第14章 刈真の過去



「っ…はっ…はっ…刈真っ」


雫は、乱れていた呼吸を精一杯整え、
刈真の方へ目を向ける。

その瞬間、刈真の肩が震え、
頭を抱え始めた。

どうしたのかと触れようとすると、
さらに体を震わせ、おびえているようだった。

「…?刈真…?ど――――――――

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!」

「っ!!?」

「ごめんなさいっごめんなさいっ…ごめんなさいっ!」



雫は、この時にわかったのだ。





刈真は、ずっと、
生まれた頃から後悔していたのだ。










優しく彼の手を掴み、
そっと、頭を撫でる。


「刈真。大丈夫だよ…。」

「っ!ごめんなさいっごめんなさいっっ!!」

「刈真。」

「やだっ嫌だよっっ!!」

「刈真。」

「やだぁああっ!!!!!!!!!!!」



刈真は、大声を出して泣いた。
自分が苦しんできたものを。全てを。

何かにのせて吐き出すように、
大粒の涙を何度も何度も流した。


雫は、そんな彼の手を、
まだずっとつかみ続けていた。



/ 586ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp