第14章 刈真の過去
刈真は、どこか遠くに
取り残されているような毎日を過ごした。
「あ…ぅ ママ?」
「…やめて。ママなんて呼ばないで」
「ごめ な さい…。ね…?」
「ママ…は…僕のこと…好きぃ?」
「嫌いに決まってるじゃない。」
孤独な思いが 胸の中でとぐろを捲く
「僕…いなくなれば…ママ好きになってくれる…?」
刈真は、泣いた。
彼女はその涙にさえも哀れと思わない。
「ママじゃないわ。でも、そうね。
あんたが″いなくなれば″
頭も良くなるかもね。消えなさい。
刈真。」
刈真は、目を瞑った。