第14章 刈真の過去
私はもう一度刈真に目をむける。
彼はまだ頭から手を離さなかった。
顔には、苛立たしげな曇りが露になり、
激情を抑えきれないでいる。
苦しそうに息をしながら、
その頬には汗がだらだらと流れていた。
沙「…刈真君っ?」
私の呼びかけにも、もう答えようとしない。
翠「どうしたの!?」
刈「うるさい!!!!!!」
「「!!!」」
刈真は、殴りかかる様な激しい声をだす。
雫は、必死に何かを考えているようだった。
刈「あああぁぁあlっぁああぁあっぁ…………
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっっっ
いい子になるからっいい子になるからっ!!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ううううううぅぅぅぅうう…
ごめんなさ…い…ごめんなさい…ごめ…っ」
たまったものを吐き出すように叫んだあと、
フラフラっと体と声を揺らし出し、
数秒後には襲われたように地面へと倒れていた。