第14章 刈真の過去
その後すぐ、もう一度気を取り直し、
私達三人はドキドキしながら女性に近づいていった。
そして、翠が声をかける。
翠「あ、あの…」
女性が声に気づいてこちらを向く。
その顔を見たとき、私は心臓が飛び出そうになった。
翠「!!!」
沙「!!!」
刈「…姉…さん…?」
?「!! 刈真っ?刈真なのねっ!?」
翠「えええええええ!!!!!!!!????」
沙「えええええええ!!!!!!!!????」
私は、先程の胸騒ぎが的中した…と思った。
この女性が刈真のお姉さんだとは。
でも、言われてみれば納得することが多数ある。
まずはその真っ黒な髪の毛。
刈真も同じように真っ黒で、艶も出ている。
そしてこの銀色に輝く瞳
これもさすがお姉さんだと思わせる。
さらには、その冷静そうな出で立ちまで
刈真と雰囲気も何もかもそっくりだ。
翠「はぁ~!まさか刈真君のお姉さんだったとわ!」
沙「とても綺麗な方ですね。」
?「ありがとう。あ、失礼しましたね。
私は刈真の姉の、
嶋瀬 雫(しずく)
といいます。どうも刈真がお世話になっています。」
翠「雫…素敵な名前ですね!!」
翠がそう言うと、雫は
少し恥ずかしそうに頬をほんのり赤くしていた。