第14章 刈真の過去
お昼を食べ終わり、
私達三人は帰りの支度をしていた。
翠「あの女の人まだいる?」
翠が近寄ってきて窓の外を眺める。
私も気になって覗いてみると、まだ女性はいた。
沙「いったい誰を待っているんでしょうね。」
刈「誰かの彼女さんとかでしょうか。」
翠「あ~!あの人すっごい可愛いもんね!!」
沙「そうですね。」
私は再度女性を見つめ直す。
真っ黒なその髪を見ていると、何か引っかかるのだ。
なんだろうか。この胸のざわざわは…
そう思っている時、終わりのチャイムが鳴った。
翠「あ、もう下校だねっ!」
沙「やっぱまだお昼だからワクワクするね!」
刈「じゃあ、帰りましょうか。」
私達はカバンを持って廊下に出た。
すると、窓際に誰かが寄っかかっている。
沙「あ、美紀さん達!」
そこには、美紀と大河が何やら話し合っていた。
美「今日はもう下校だわ。」
翠「凄いよねぇ!特別だよ今日は!」
大「家帰ったら何しようかなぁ。」
刈「僕は昼寝でもしようと思います。」
沙「あはは。あったかいもんね!私もしようかな?」
五人で共に笑い合っていると、
教室から背の高い生徒が出てきた。
全「あっ」
優「 ! 」
それは相変わらず眠たそうにしている優一だった。