第12章 孤独は無限
桜の花が咲き落ちる広い校庭の端で
琴音はこれからの学校生活に期待を寄せていた。
友達がたくさんできるだろうか。
勉強はしっかりできるだろうか。
恋なんかも出来たりするだろうか。
そんな思いと共に、
琴音は「入学おめでとう」と書かれた
花のブローチをそっと撫でていた。
「ご入学おめでとうございます。」
そういったのは、クラスの担任だった。
皆おしとやかそうな、とても綺麗な子たちばかり。
琴音は、遠くの方からやってきたので
学校に知り合いなんて一人もいなかった。
「まあ、すぐに友達は出来るさ。」
中学で一緒だった友達から、
琴音は毎日励ましの言葉をもらっていた。
それを聞くたびに、
そうだよね。と自分に囁く。
こうして安心していたのだ。
だが、そんな言葉は 嘘 になった。