第12章 孤独は無限
沙「自分はなんて馬鹿なことをしたのかなって。」
琴「そんなの、誘導されただけじゃないっ!!」
琴音は私の言葉なんて受け入れようとしなかった。
彼女の心は
それほどまでに痛みつけられていたんだ。
悲しみと痛みというなの深い傷。
それは次第に、怒りと『大きな壁』になった。
沙「もう、誰も寄せ付けない。」
私は言った。
琴「・・・え?」
沙「そうすれば、苛められることはない。」
私は声にだんだん勢いをつけていった。
彼女は私から目を離せないでいる。
そうだ。あなたの心のなかを
私は知っている。彼女の気持ちがわかる。
沙「そしたら、いつの間にか大きく硬い
鉄壁の中に、うずくまっていたんでしょう?」
琴「!!っ・・・やめて・・・っ」
沙「自分から突き放せば、
みんなは自分に多少の恐れを抱く。」
琴「やめて・・・やめて・・・っ」
沙「そして、誰にも関わらなければ
苛まれずに済む。自分を守れ――――――
琴「やめてぇぇぇっっ!!!!!!!!!!!!」
琴音はまた、涙を流しながら耳を塞ぐ。
私は、そんな彼女をみて、
ただただ、可哀想だという感情しか出てこなかった。