第12章 孤独は無限
沙「私はね。中学の時からついこの間まで、
過酷ないじめに耐えていたの。」
私は、何故か微笑みながら話していた。
琴音は唖然としている。驚いているようだ。
沙「何やってもうまくいかなくて。
学校に行っても 家に帰っても
ずっと。ずっと一人ぼっち。 」
学校で辛いことがあっても、
それを相談する親や友達もいなかった。
自分から突き放したからだ。
裏切られるのを恐れて。
沙「そうやってひとりでいると、
自分の感情と考えしか頭に入ってこない。
私の言葉はどれも嫌なことばかり。
その黒い感情が、誰もいない部屋で
グルグルとどす黒い泥になって…
気づいたら、その泥から抜け出せなかったの。」
私はいつの間にか涙を流していた。
琴音は、じっと、私の話を聞いている。
沙「やがては、笑う感情や嬉しい感情なんかも
ゴミ箱の中に放り投げていた。
それが、どんなに辛いことかも、
その時の私には わからなかったんだ。」
琴「じゃあ、どうして私を止めたの。
自分だってそう思ってるなら、
楽になりたいと思っていたのなら…っ
私のことを楽にさせてくればよかったじゃん!!」
私は、
彼女の言葉が後から後からも流れてきた。