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「 水色の革命 」

第12章 孤独は無限



琴音はその後、私を見て眉をひそめる。
そして口を開いた。

琴「…なんで止めたんですか。」

その声はとても悲しそうな響きだった。
私は顔を緩ませ、彼女を見つめる。

沙「…いいことなんてないでしょ?」

しっかりと私は彼女に言った。

琴音は、「ふぅ」と息をもらすと
目線を斜め下に逸らす。

琴「生きても死んでも私は報われないんですね。」

沙「そんなことないっ!生きていたら――――

琴「生きていたら自分が苦しむだけじゃない。」

沙「!!!!っ」


琴音は鋭い言葉を吐き捨てる。
私は、また昔のことを思い出してしまった。


―――――――生きていたらダメ


  ちがう…


―――――――皆私が死んだら喜ぶって


  ちがうってばっ…


―――――――ここから飛び降りれば楽になるんだ



 そんな訳ないっ!!


―――――――じゃあどうして私は苦しむの





      さよなら すればいいじゃない







沙「ちがうってばっっ!!!!!!!!!!」


自分の言葉に私ははっとする。
琴音を見ると、私を不思議そうに見つめていた。

沙「…ごめんなさい。叫んじゃって…っ」

私はいそいそと頭を下げる。

沙「でも。」

琴「?」

沙「死んだら、何にも出来ないじゃない。」

私はスパッと言い切る。

琴「・・・え?」

琴音は、私の言葉に耳を傾けてくれた。


「今だよ。」

うん。わかってるよ。

「今度は君が語る番だ。」

そうだね。頑張る。

「どうして?」

あなたがしてくれたように


私も、彼女を救いたいから。











「その勇気、忘れないで。」



うん。


私は口を開いた。



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