第12章 孤独は無限
私は階段を駆け上がり、屋上へむかう。
彼女は絶対にここにいる。
なぜかそう思えたのだ。
屋上のドアの前で一旦止まり、
大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
うまく‥・笑えるだろうか…
「大丈夫。」
ふと、また耳に彼の声が聞こえた。
私はドアに手をおく。
そして、一気に開けて外に出た。
沙「・・・いた。」
私は奥の塀に登っている彼女を見つける。
その時、彼女に近づこうとしたが、足を止めた。
琴音の様子がおかしい。
私はぶわぁと手汗が出るのがわかった。
体がいつもより熱い。
私は頬を手で抑えた。
沙「まさか・・・っ」
琴音は動かない。
じっと、そこから下を眺めている。
だが、よく見ると手足が震えていた。
次の瞬間、私はがむしゃらに走り出す。
沙「やめろっ!!!!!!!!」
彼女が足を前に出そうとしたからだ。
琴音は私の叫びに肩を震わせ、
前にだそうとしていた足を引っ込める。
いつの間にか私は琴音の腕を掴んでいた。
沙「・・・っ!ああ…ごめんなさい…。」
私はその手を離す。
すると、琴音はバッと腕をうしろにまわした。