第12章 孤独は無限
刈「なるほど…」
五時限目の授業の時、私は五十嵐に
見つからないようにひっそりと
刈真にさっきの屋上での話をした。
沙「どう思う…?」
刈真は「うーん…」と真剣な眼差しのまま
少し俯いて考え始める。
私はその姿をずっと見ていた。
やがて刈真が顔をあげる。
刈「四季さんは、かなり苛立っていたの?」
私は刈真の質問に答えようと思い出す。
確かに、琴音は不快そうな顔をしていた。
なにか…怒っているような…
沙「苛立っていたと思う。拳も握り締めていたし…」
刈「そして、『同情なんかはよして』
と、言ったんだよね。」
沙「うん…その言葉がつい引っかかるんだ…。」
私は彼女の言葉をもう一度思い出す。
―――――――――同情なんかはよしてよ!!!
琴音は物凄く声を張り上げていた。
でもその裏で、少し震えていたのもわかっていた。
あれはどういう意味だ?
私は何か彼女の勘にさわることを…
沙「あ…」
その時、私はその何かを思い出した。