第12章 孤独は無限
誰も動かず、何も言わない
沈黙の空間の中で、
唯一白い雲だけが忙しそうに空を泳ぐ。
私はいつの間にかその雲を目で追いかけていた。
琴音は、まだ喋ろうとしない。
やがて、この沈黙の空間が
野外なのに息苦しい空気に変わってしまった。
喉の奥にある何かをぐっと飲み込む。
そして、私は無言をやめた。
沙「お昼、ご一緒してもいいですか?」
私は先程よりもさらに彼女に近づいた。
すると、琴音はせっせとお弁当を片付け始め、
やがてなんのためらいもなく立ち上がった。
そして、彼女は初めて私に話しかけてくれた。
琴「何でここに来たかは知りませんが、
私に関わらないでと言ったはずです。
それと、私にもう近づかないでください。
一緒にいるだけで虫唾が走ります。
話しかけられるのも…
迷惑です…。」
とても、悲しい言葉を放って。