第12章 孤独は無限
上がるたびにカンっとサビたような
音が鳴る階段を駆け上がり、扉を開ける。
相変わらず今日も
広く澄み渡っている青空だった。
そう、 屋上だ。
ここなら、誰にも邪魔されずに、又、
綺麗な景色と青空を見ながら食事ができる。
何故か知らないが、ここにいると思ってしまった。
もしかしたら私と重ねて考えていたらしい。
だが、扉から見た視界には
琴音の姿は一ミリも見えない。
やはりここではないのだろうか・・・?
そう思って扉を閉めようとした時、
ふと音楽が聞こえた。
はっきりと憶えていないが、
なんだかものすごく聞いたことのあるリズムだった。
その音のする方へ足を進める。
すると、この扉がある壁の右側に琴音が座っていた。
お弁当は少ししか減っていない。
でも、音楽を聴いていて、とても楽しそうだった。
沙「見つけましたよ。」
私は琴音に呼びかける。
琴音は私に気づいたらしく、ビクっと肩を揺らした。
どうやら驚かせてしまったらしい…。
琴音は私を鋭い目で睨んでくる。
その目に、私は少し足を引きそうになった。