第12章 孤独は無限
丁度二人の姿が見えなくなり、
ふーと溜息をついて教室に戻る。
(久しぶりにひとりか…)
私は教室全体を見渡し、自分の席に戻って
お弁当の包みを取り出した。
ついでにお気に入りの本も取り出す。
その時、あることに気づく。
(あれ?琴音さんがいないな…)
転校生の琴音の姿が見えなかったのだ。
彼女の席もガラ空きで、ひっそりと佇んである。
琴音はいつの間に何処へ行ったのだろう。
私は何処へ行ったのだろうと不思議に思った。
そして、ある場所が思い浮かぶ。
沙「…あそこか。」
私は駆け足で騒がしい教室を後にした。