第12章 孤独は無限
四時限目の授業が終わり、お昼の時間になった。
私は刈真と翠を誘おうと肩をたたく。
刈真はフッとこちらに向いてくれた。
沙「お昼一緒に食べよう?」
すると、刈真は「ああ…」と残念そうに
視線を逸らし、呟いた。
刈「ごめん。学年委員の仕事を
手伝わないといけなくて・・・無理なんだ。」
刈真は申し訳なさそうに私に謝ってきた。
そっか、お手伝いか…。
私は仕方ないと刈真に「いいよ。」と言った。
そして隣にいた翠にも頼んでみる。
翠「ああ~~!!もう沙織まじごめん!
アタシも学年ちゃんの手伝いいかないと。
ちょっと五十嵐ちゃんがしくじったみたいでね…」
翠は教卓で慌ただしくしている五十嵐を
睨むように見つめ、やがて溜息をついた。
翠「だからごめんよ。二人共無理なんだよぉ。」
沙「そっか…仕方ないよね。うん!」
私はなんだか置いてきぼりにされてる感覚になる。
これは、またあの時のことを思い出したからだろうか。
けれど、これは決して二人のせいではない。
私は明るい顔で「じゃあがんばってね!」と
二人の背中を優しくつつく。
二人は私のそんな様子を見て安心したようだった。
翠「じゃあまた後でね!!バーイ!!」
沙「はーい!!」
刈「何かあったら必ず言ってね。」
沙「大丈夫だよ、いつもありがとう!!」
私は二人の小さくなっていく
背中に向かい、大きく手を振っていた。