第12章 孤独は無限
休み時間が終わり、
私は琴音に気づかれによう教室に戻った。
なんだか、
皆が知らない彼女の一面を見れて
特別な気持ちでいる。
隣をみると、何故か刈真の頬が膨れていた。
顔は少し怒っているようだ。
私は少しドキドキしながら話しかける。
沙「かる…ま君…どうしたの…?」
するとバッとこちらをむいた。
私は驚いて肩がビクっと震えた。
刈真は相変わらず頬が膨れている。
そして、そっと口を開いた。
刈「…何処行ってたの…。」
なんともか細い声だ。
沙「えっと、琴音さんの後を追ってたの!」
私は刈真にさっきのことを詳しく話す。
すると、刈真はすぐにいつもの顔に戻った。
刈「なんだ、良かった。」
そういうと嬉しそうに笑っている。
私はなんであんなに膨れていたのかを聞き出した。
沙「どうしてあんなに怒ってたの?」
刈「…。」
刈真の顔が少しポッと赤くなる。
刈「…誰か他の男子生徒と話すのかと思った。」
沙「…えっ。」
私は驚く。刈真は恥ずかしそうに
「なんでも無いよ」と顔を手で隠した。
私は思った。
これは…
″嫉妬″というものであろうか…?
いや、ちょっとちがうな…。
まあとにかく、刈真はそんなに
私のことを心配していたのか。
なんだか、刈真のもう一つの一面をみれた気がする。
それに、自分がそこまで思われているようで
急に体が熱くなり、恥ずかしくなってしまった。
(…翠さんに相談しようっ)
私は五十嵐の授業を聞きながら思った。