第12章 孤独は無限
HRが終わってからも、
生徒達は皆し・・・んとしていた。
おそらく琴音のことが頭から離れないのだろう。
彼女は、授業を受けているときも
淡々とノートにとっている。
私達のことは一切見えてないらしい。
いや、いない存在にしているのか…。
(いない存在…?)
私は自分の思ったことが何だか不思議に思えた。
いない存在になんて…。
あの子はどうしてあんな事を言ったのだろう。
私はよし、と決意し、
今日一日彼女を観察することにした。
授業が終わると、彼女はすっと席を立ち、
そして廊下の方へスタスタと行ってしまった。
刈「沙織、そういえば――――
沙「ごめん刈真君!後でね!!!」
私は刈真に一礼すると、
小さなメモ用ノートと鉛筆をもって彼女の後を追った。
廊下に急いで出ると、彼女は階段の方にいた。
階段を降りる…!!
私はそう思い、さらに駆け足で彼女を追った。
案の定、琴音は階段を
なんのためらいもなく駆け下りる。
そして一階につくと、玄関の方へ向かっていた。
沙「何をする気なんだ…?」
もしかして外へ出る気だろうか。
私はそんなことまでは出来ないと、不安に思っていた。