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「 水色の革命 」

第12章 孤独は無限



五十嵐の言葉に私はドキドキする。
どんな声なんだろう。
どんな自己紹介なのだろう。

たぶんクラスの皆もそう思っていることだろう。


私は彼女に凄く期待していた。


















だが、いつまでたっても彼女は喋らない。

だんだんクラスも不思議になりはじめ、
少しずつ騒ぎ始めた。


沙「あれ…?話さないね…。」

刈「…どうしたんだろうね。」




五「あのぉ…四季?はやく―――――――」

その瞬間だった。



琴「私に今後一切話しかけないでください。」


「!!!!!!!!!!?」

沙「!?」

刈「…。」


転校生が最初に放った一言は
クラス全体にまるで電流のような衝撃を与えた。


翠「あのぉ…琴音さ―――――――――

琴「私に今後一切話しかけないでといったはずです。
  私は別にここで友達を作る気はありません。
  ほっといてもらうほうが気が楽です。」

琴音は溜まっていたものを吐き出すように喋りだす。
私は今起きている状況がまったく掴めなかった。

沙「何を…言っているの…?」

琴「もし授業中などにペアになれと言われたら 
  私はその時間だけ見学させて頂きます。
  それと女子は直径一m。
  男子は直径三m以上私に近寄らないでください。」


クラス中が彼女の言葉に唖然とする。


琴「席は自分で用意しているので大丈夫です。
  班活動なども私はいないとして考えてください。



  それでは。」



最後の言葉を放つと、彼女は
スタスタと前をとおり、いつの間にか用意されていた
一番うしろの席に静かに着席した。


クラスは一気に静かになった。


誰も一言も喋ろうとはしなかった。
いや、誰も喋れなかったのだ。



刈「祭りのあとの静けさ…」



隣で、刈真が微かにそう呟いた。




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