第12章 孤独は無限
じっと制服を見つめていると、
何か前から視線を感じた。
顔をあげると、転校生の彼女が私を見ている。
(もしかしたら…友達になれるかも)
私は不意にそう思い、
にっこり笑いながら少しだけ頭を下げた。
そしたら、彼女はどんな行動をしただろうか。
なんと、私を汚いものを見るように顔を歪め、
やがてプイッと顔を横へそらしたのだ。
なんなんだあの子…っ
私は腹が立ってしまい、深呼吸をして
気持ちを落ち着かせる。しかたがない。
あの子だっていきなり頭を下げられるのは驚いただろう。
でも、あの顔は少し傷ついたな…
私は彼女の顔を見て、、
いじめられていたときの
感覚を少しだけまた思い出してしまった。
刈「落ち着いて。」
刈真が隣で微笑む。
私は彼の言葉に頷き、昔のことでなく、
昨日のデートのことを思い出していた。
五「えーっと。華の丘学園から転校してきた
四季 琴音(しき ことね)だ。」
明かされた名前に私はまた声を出しそうになる。
四季なんてとても素敵な苗字じゃないか。
確か現在では三重県や岐阜県でこの
苗字の人がなん世帯かいると聞いたことがある。
彼女は本当は優しい人なのだろう。
確信もないのに私は勝手にそんなイメージをもった。
五「じゃあ、自己紹介をよろしく。」