第12章 孤独は無限
沙「え?」
刈「いや、さっき大声で名前を言ってたから。」
沙「ああ…。」
翠「さては、
『お前、誰だっけ』
みたいなこと言われたんでしょ!!!」
(図星だ。)
大「ああ。それね。悪いな沙織。
あいつ、あんま話してないやつのことは
すぐパッと忘れちゃうんだよ。まじごめん。」
大河が両手を合わせ、
まるで仏像にお祈りするように頭の上にのせる。
沙「…あまりにも自由な人だね…。」
私は吐き捨てるように言うと、
皆はまぁまぁと励ましてくれた。
ここは励まされるのが正解なのか・・・?
また複雑な気持ちになりながら、頭を抱えた。
その時、HRの時間のチャイムがなる。
大河達は「やばっ」というと、
こちらに「また後で」と言って
自分達の席へ戻っていった。私達もと席へ座る。
座った直後、
五十嵐がドアを開けてズカズカと入ってきた。
相変わらずサンダルがダルンダルンに伸びている。
私は履きづらくないのかな…と
無駄な疑問を生み出してしまった。