第12章 孤独は無限
その時、何かに袖が引っ張られる。
不思議に思い振り返ってみると、
さっきまでぐっすり寝ていた優一が起きていた。
沙「あっ起こしちゃいました!?」
優「・・・。」
優一は目を細くして私を見る。
私は何故か冷や汗をかき、オドオドしていた。
気づくと、優一が口を開いて何か言いたそうだった。
そして。
優「お前・・・。」
沙「えっ?」
優「誰だっけ?」
ズテェェエエエエエ!!!!!!
(えええええええええええええ!!!!?)
私はバラエティ番組のように派手に転ぶ。
そして勢いよく起き上がった。
沙「沙織です!!!!黒翔 さおり!!!!」
私は大声で名前を言う。
優一はポカンとしていたが、やがて
また眠そうな顔に戻り、
優「ああ…黒翔か…。悪リィな。」
そう言って謝った後、
フニャっとした笑顔を見せてきた。
(これがマイペースな男の子…。)
私はなんだか複雑な気持ちになりながら、
「こちらこそごめんなさい。」と言い、
皆のところへ戻っていった。
席に戻ると、四人が顔を合わせてきた。