第12章 孤独は無限
大「お、優じゃねぇか。」
大河は優一に気づいたらしく、
優一の方へ体ごとむいた。
優一は目をこすりながら近くの椅子に座る。
翠「今日くる転校生の話してたの。」
優「転校生…?」
美「なんでも、親の転勤でこの時期に。」
刈「それで、どんな子か話していたんです。」
最後に刈真が言うと、
優一はふーん…と言いながら立ち上がった。
そして、「ねる」と一言だけ言い残すと、
自分の席に座って、バタンっと顔を机につけた。
あれですぐに寝れるのだろうか…。
美「やっぱり、優一は興味がないらしいね。」
沙「? いつもああなの?」
大「まぁ、あいつ何考えてるかわかんない奴だし。」
翠「確かに!絶対転校生とか
頭ん中入ってないよ!!あいつ!!」
刈「マイペースなんですね。」
翠「あれを猫系男子っていうのかね。」
翠の言葉に皆が笑っている中、私は
優一のことが少し気になっていた。
そっと立ち上がって優一に近づいてみる。
耳をすますと、静かな寝息が聞こえてきた。
この体制で寝れるんだな・・・。
私は誰も見ていないのに
その姿をみて苦笑いをしていた。
少しだけ顔を近づける。
あと約四cm程の距離でも気づかないなんて
よほど眠かったのだろう。熟睡中だ。
私は話しかけようと思ったが、
起こすのも悪いと諦め、皆の所に戻ろうとした。