第12章 孤独は無限
翠「転校生が来るの!!?」
大「ああ、何でも、親が急の転勤だってさ。」
美「こんな季節に…。」
沙「夏に転校なんてついてないね…。
学校の友達と思い出を作れずにここに…。」
刈「親の都合っていうのは怖いものだね。」
私達五人は翠の机を囲み、
椅子をもってきて小さな円になった。
翠「それにしても、転校生ってどんな子かな?」
大「あ、ついでに女らしいぞ。」
美「とても清楚な人かしら。」
大「いや。意外に暴力女だったりして。」
刈「じゃあ親の言うことなんて聞かないだろう。」
沙「なんだか想像姿が怖くなってきました。」
五人はこんなことをベラベラと
話し合い盛り上がっていた。その時、
うしろのドアから優一が顔をだす。
彼は目が半分もあいてなく、
実に眠そうな顔をしている。時計をみると
八時二十八分。遅刻ギリギリだ。
優一が自分の机にかばんをおろすと、
こちらに顔をむけてきた。
そして、首を少し傾げ、
不思議に思ったのか私達にゆっくりと近づいてきた。
優「なんの話してんの…。」
声も眠たそうだ。