第11章 初めてのお出かけ
二人は水槽を後にし、
この一階から離れて二階に上がった。
あたりを見渡すと、これまた水槽が沢山ある。
けれど水槽の中が暗いものが多いので、
たぶんここは深海魚がいるのだろう。
沙「深海魚って怖い生き物がいるイメージだな…。」
刈「確かに怖い生き物ばかりかもね。でも
もしかしたら可愛い生き物もいるんじゃないかな?」
沙「少し不安だけど、すぅ~と覗いてみよう。」
刈「うん。」
私と刈真は左にある水槽から順番に
中を覗いてみることにした。
人で混雑していてよく見えない水槽もある。
頑張って背伸びをし、中を覗いてみた。
沙「っ!! やだっチョウチンアンコウだ…。」
その水槽の中にいたのはチョウチンアンコウ。
なぜかわからないが、白目で少し気味が悪かった。
沙「や、やっぱり私覗くの怖いよ…っ」
私は刈真にあははっと苦笑いをする。
刈「じゃあ見るのはやめておこうか。」
沙「それにしても、深海魚って子供に人気なんだね。」
水槽の前に群がっている人の中のほとんどは
小さい子供たちが圧倒的に多かった。
刈「子供は自分の知らない不思議なものを
みるとつい興味をもってしまうものだからね。」
沙「そうなんだ…。私もそうだったのかな…。」
刈「あははっ。あまり記憶は思い出せないものだね。」
その後は、学校の話などをしながら
三階へ足を進めていった。