第9章 文化祭
私の胸は今、不安でいっぱいだった。
どうして?
こたえはきっと、彼がいないから。
彼といつも側にいるから、
笑っていられるし、強くなれたんだ。
いつもいつも、彼の横顔や背中を見ていた。
私のために。
死のうとした私を止めてくれた。
ひとりだった私と一緒にいてくれた。
大河に殴られそうになった私を助けてくれた。
素敵な友達を私にくれた。
そして、私が怯えないように
手をひいて歩いてくれた。
沙「してもらってばっかじゃない…」
そして、
私に恋をさせてくれた。
沙「今度は、私がしなきゃ。」
扉を開けた。