第1章 どうしてこうなった
着いた場所は、広々とした武道場。
私達4人以外は、誰もいない。
The 静寂って感じ。
「よし、眞季、悠真、着替えて来い」
清政さんが静かに言った。
悠真くんは、無言で更衣室と思われる場所へ歩いていく。
え、ちょ、何に着替えれば…
「ほら、眞季、お前も早くしろ」
「あ、は、はいっ!」
清十郎さんに促され、私も更衣室に入る。
どうしようか、と悩んでいると
目の前に柔道着が入った籠が現れた←?
いや、別にイリュージョンじゃないからね?
「はあ…もう腹括ろう…」
今まで着ていた…いや、着せられていた着物を脱ぎ捨て、柔道着を着る。
一応、私は合気道を習っているから、私が再起不能になるとか、弱すぎてバレるとか、そういうことはないと思うけど…。
まあ…女の子なんだから、悠真くん、手加減してくれる……のかなあ?
すっごい不安…。
「でも…頑張らなきゃ」
この決闘をやる意味は知らないけど
私が眞季さんじゃないと
バレないようにするために。
全力で、立ち向かおう。
そう決意し、柔道着の帯を締め直した。