第1章 どうしてこうなった
「…あぁ、なんだ、そういうことか!いやー、焦ったぞ!」
清十郎さんが、頭を掻きながら豪快に笑う。
清政さんも、笑っている。
けど、悠真くんはあからさまに呆れた顔。
しょうがないじゃん!
私、部外者&一般人ですから!!
まぁ、こんなこと言えるはずもなし。
ぐっと言葉を飲み込む。
「今から、決闘をしてもらう」
「……………は?」
えーと、今、なんて言いました?
けっとう?犬とかの血統種のことかな?
「お前いつまでボケてんだよ。決闘は決闘だ。闘うんだよ」
冷めた声で悠真くんが言ってくる。
何をサラリと言っちゃってんの!?
か弱い女子に闘わせるの!?
「まあ、何はともあれ、武道場に行くぞ。ここは冷えるからな」
清十郎さんはそう言うと、率先して出て行ってしまった。
私はどうすることもできず、黙ってついていくことにした。