第1章 どうしてこうなった
鼓膜が破れるんじゃないかと思う程、騒がしかった会場内は、一瞬にして静まった。
清十郎さんは、ゴホンと咳払いをする。
「今日の一次会は終いだ!明日の二次会に備え、全員強制的に睡眠を取らせる!!それでは、解散!!!」
『はいっ!!』
人の波が、出口へと流れていく。
その流れに乗って出ようとしたが、誰かに腕を掴まれた。
ビックリして後ろを振り向く。
そこには、清十郎さんが立っていた。
「おいおい、眞季。お前はそっちじゃないだろう」
「え?な、なんで?」
私は、思わず聞き返した。
すると、清十郎さんは驚いた顔をする。
悠真くんも、清政さんも、驚いた顔をしている。
わ、私、何かマズイこと口走った…!?!?
焦った私は、慌ててつくろう。
「あ、ご、ごめん!ちょっと、ど忘れしてて…えと、何かやるんだっけ?」
声が震えるのを、必死で隠す。
ここで私が、神崎 眞季ではなく、篠山 茜だとバレてしまったら…。
そんなこと、恐ろしすぎて考えたくもない。