第1章 どうしてこうなった
再び、騒がしい宴会会場に戻ってきた。
すると、ゴツい人達の中で、一際強面なオーラを放っている男の人が近寄ってきた。
「おお、眞季。戻ってきたか。どうした?腹の調子でも悪いのか?」
多分、眞季さんのお父さんだろう。
大きな手で私の頭をポンポンと叩いてくる。
うーん、お酒臭い。
「あ、えっと、大丈夫だよ。ちょっと、ぼーっとしてただけ」
「そうか?なら、良いが。すまんなあ、悠真。迎えに行かせちまって」
「いや、別に」
「おい、清十郎!そろそろ締めるか!」
眞季さんのお父さんは、清十郎(セイジュウロウ)さんっていうのか。
んで、その声の主は…多分、悠真くんのお父さんかな。
だって、オーラがこれまたスゴイもん。
それと、お酒の匂いも。
「おう、清政(キヨマサ)。そうだな、そろそろ一次会は締めるとするか!」
ガハハと豪快に清十郎さんは笑う。
そして、壇上に上がっていき
「静まれ!お前ら!!」
と叫んだ。