第9章 衝突2
しかしまたしても、コンコンとノック音がし、一人の女子生徒が入って来た。
「失礼します」
清楚な雰囲気を纏った、可憐な女子だった。
「私の友人が騒ぎを起こしたと聞いて…二人の事が心配で…」
どこかわざとらしい仕草をしてその女子生徒は、二人を見て先生に顔を向けた。
「………」
「んま!友達思いなのね!貴女は確か…」
「加納です」
「加納さんね!二人に対して何か弁明したいことでもあるの?」
「はい。実は…二人はずっと白河君と青野さんに憧れてたんです。二人の様な恋人関係に」
「あら貴女達付き合ってたんですの?」
「「違います」」
白河と美月はうんざりしながら同時に否定した。
「…やだ…デマだったんだね…ごめんね、白河君、青野さん」
「……別に」
「あ…それで二人は最近白河君と仲の良い後輩がいるって聞いて嫉妬しちゃったんです」
加納の言葉を、否定も肯定もせずに、二人はばつの悪い顔をしていた。
「私がもっと二人の話を聞いてあげられてたら…うっ…」
加納は涙を浮かべる。