第9章 衝突2
「それより知ってる先輩だったの?」
先ほどから気になった事を聞く。
「あ〜、うん…。その先輩とは同中でさ〜…その時も白河先輩達の噂流れてさ〜…なんか白河先輩にフラれた腹いせにそんな事したんじゃないかって、部活の先輩に聞いたんだよね…」
「…その先輩の名前分かる?」
「う〜んと…確か…」
うんうん唸りながら思い出そうと頑張る友人を見て佳奈は呆れ顔になる。
「あんた本当に人の名前覚えてるの苦手よね…」
「あ!思い出した!」
佳奈の辛辣な言葉を聞いて閃いたように彼女は言う。
「前園先輩だ!」
こっそりとその先輩の顔を見に行った。
「あれ!あの人だよ」
ヒソヒソ話す。
友人の指を指された人を見ると、近くに見覚えのある先輩もいた。
「あの先輩は…」
前園先輩の傍にいたのは、前に夢を呼び出した先輩だった。
(二人は友人だったのか…)
どの先輩か確認しに来ただけなので、夢達は目的を達成したらすぐさま立ち去った。
「取り合えず気にするべき人は分かったね!」
「うん…二人供付き合ってくれてありがとう」
「いいって!あたしらも気にした方がいいし!」
友人と談笑していても、夢の頭の中は先ほどの先輩達への対処について考えていた。
これ以上何もされなければいいが、もしエスカレートしたらどうするべきか…不安でいっぱいだった。