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Hな女の子は嫌いですか?

第8章 衝突


何をしているか…。
正直な話…

「ケンカしてます」

遠野を横目で見て美月が言った。
紅林がはぁ…と溜め息を吐いた。頭を掻きながら
「遠野…青野を離してやれ」
「!」

紅林の言葉に遠野の顔が真っ赤になる。

「何でこいつばっか…!」
ドン!
遠野が美月を突飛ばす。

「っ!」

ぐらついた美月を紅林が受け止める。
それを見た遠野は、ますます怒りで熱くなる。

「そんな女に触んないで!」
「いい加減にしろっ!」

紅林の剣幕に遠野はたじろいた。

「いい加減、やり過ぎだ。周囲の迷惑くらい少し考えろ!」
「…!」
「そうね…もう授業始まっちゃったわ…」

美月は心底残念そうに言う。

「「………………」」

沈黙が訪れた。

「あ〜コホン。遠野…お前は周りが見えなさすぎだ。自分の事さえ見えてない」
「何よ!紅っちそいつを贔屓してんの知ってんだから!」

一瞬ギクリとする。
(バレる人にはバレるもんなんだな…)

「…そうだとしても…やっていい事と悪い事の区別もつかないのか?」
「………………」
「この際だから言うけどな。遠野の言動は、目に余る。お前の言動で傷ついた人間もいるんだ…」
「聞きたくない!」

そう怒鳴って遠野は、バタバタと教室とは別方向に走って行った。

「「……………」」

二人無言で見送った。

「「………………」」

無言のまま横目でお互いを見る。

「先生…モテますね」
「…嬉しくない」
「贅沢な」
「正直遠野は苦手なタイプだし…俺は美月しか眼中にないし」
「…確かに彼女と私は別タイプの人間ですね」
「自分で言うか」

美月の言葉に苦笑する。
まぁ、実際その通りだ。
だから余計反発するんだろう。

「今からじゃ、教室戻りづらいわ…」

授業が終わるまで、後30分ある。授業中の教室は、静馬っていて途中から入りづらいのだろう。それを気にする辺り、ますます正反対だと思った。

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